水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違いとは!?
食物繊維とは、人の消化酵素によって消化されない、食物に含まれている難消化性成分の総称です。
食物繊維は水にとける「水溶性食物繊維」と、水にとけない「不溶性食物繊維」に分けられます。
「水溶性食物繊維」にはネバネバ系とサラサラ系があります。
水溶性食物繊維を多く含む食品は、昆布、わかめ、こんにゃく、果物、里いも、大麦、オーツ麦などです。
「不溶性食物繊維」は成熟した野菜などに含まれ、糸状のもの、多孔質のものがあり、ボソボソ、ザラザラとした食感が特徴です。
不溶性食物繊維を多く含む食品は、穀類、野菜、豆類、キノコ類、果実、海藻、甲殻類(エビやカニ)の殻などです。
水溶性食物繊維には、次の3つのように生活習慣病の原因となる物質を吸着し、体外に排泄する働きがあります。
@血糖値の上昇を遅らせる
粘着性により胃腸内をゆっくり移動するので、お腹がすきにくく、食べすぎを防ぎます。糖質の吸収をゆるやかにし、食後血糖値の急激な上昇を抑え、糖尿病や肥満の予防や改善に働きます。
Aコレステロールの吸収を抑制
吸着性により胆汁酸やコレステロールを吸着し、体外に排泄します。
胆汁酸を作るためにコレステロールが消費されます。結果、コレステロールを減らすことになります。
B腸内の善玉菌を増やす
水溶性食物繊維は、善玉菌のエサとなります。
発酵性により大腸内で発酵・分解されると、善玉菌であるビフィズス菌などが増えて腸内環境がよくなり、整腸効果があります。
善玉菌の多い環境は便秘や下痢を予防し、おなかの調子をととのえます。
不溶性食物繊維にも、整腸効果がありますが、その効果が高いのは水溶性食物繊維の方です。
不溶性食物繊維には、次の3つのように胃や腸で水分を吸ってふくらみ、便通をととのえる役割があります。
@排便の促進
保水性が高いので胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、便通を促進します。
A満腹感を得やすくする
消化されないので、胃での滞在時間が長く、満腹感が得られます。
また、食物繊維が多い食品はよく噛んで食べるので、唾液の量を増やし、歯ぐきを鍛え、歯周病予防の効果も期待できます。
B有害物質の排出を促進
便の量が増えるということは、便秘の予防だけでなく、発がん性物質の濃度を薄くする働きもあるため、大腸がんの予防効果もあります。
発がん物質や余分な糖分や脂肪、ナトリウムなどを吸着し、排泄します。